トレンドマイクロ(http://www.trendmicro.co.jp/)は11月2日から,ブロードバンドでの常時接続に適したセキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター2002」を出荷する。同社の渡部敏弘副社長は,「ブロードバンドの普及によって,ウイルス感染は個人ユーザーにとっても深刻な問題になってきた。セキュリティ対策ソフトの重要性は,今後さらに高まる」と意気込む。

 従来版との違いは大きく3点ある。ブロードバンドで常時接続しているユーザーも対象に加えたこと,新たにWindows XPでも動作するようにしたこと,PDA(携帯情報端末)向けの「ウイルスバスター for PDA」を同梱したことだ。

 ブロードバンド対応の具体的な機能としては,「ping」コマンドを使った不正侵入の下調べなど12種類の攻撃からパソコンを守るファイアウオール機能や,外部からの要求をすべて拒否してネットワーク上からパソコンを“隠す”機能などがある。

 さらに,不正アクセスを発見したら,警告メッセージを出すと同時に,回線を遮断するためのアイコンを画面に表示するようにした。また,ブロードバンドを利用すれば,セキュリティ対策ソフトを動かしても,通信速度が低下しにくいという利点がある。

 ウイルスバスター for PDAは,Pocket PC,Palm OS,EPOCの3種類のOSで動作する。パソコン上のウイルスバスター2002に,新しいウイルスのパターン・ファイルをダウンロードすると,このパソコンとPDAで同期をとれば,自動的にPDAにもパターン・ファイルが転送される。

 ウイルスバスター2002の価格は8500円。動作OSは,Windows95/98/Me,Windows NT/2000,およびWindows XP。販売目標は今後1年間で60万本。「ウイルスバスターの出荷本数はこれまで,前年比20~30%増のペースで伸びてきたが,今後1年間ではそれを上回る伸びを見込んでいる」(板井清司プロダクトマネージャー)という。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ