「閲覧者一人ひとりに適切な情報を送るために,Webサイトはどうしても個人情報が必要だ。それにともなって,プライバシの保護は一層重要になる。BIGLOBEのWebサイトをいち早く,プライバシ保護に関する国際標準規格のP3P対応にした理由はそこにある」。NECのインターネット・サービスBIGLOBEの責任者である,佐久間洋BIGLOBEサービス事業本部パーソナルサービス事業部長はこう語る。
P3Pは,Web関連技術の標準化団体である「W3C」が定めた規格。W3Cの認定リストに入ったWebサイトは,「BIGLOBEが国内で初めて」(佐久間事業部長)。
P3Pに対応しているWebサイトは,P3Pで規定されたXMLの仕様に基づいて,プライバシ・ポリシーを開示している。プライバシ・ポリシーとは,Webサイトの閲覧者の個人情報の扱い方を指す。具体的には,個人情報の利用目的や保存期間,契約した第三者には開示する/しないといった条件,を含む。ここで言う個人情報とは,クッキー(Cookie)やIPアドレスから,住所や電話番号といった閲覧者が入力するものまで含む。
P3Pに対応したWebサイトを構築しようとする管理者は,プライバシ・ポリシーをP3Pに決められたXML形式で記述し,Webサーバーに格納する。Webサイト閲覧者はP3Pに対応したブラウザからサイト上のプライバシ・ポリシーを確認できる。確認後,同意できる場合のみ,個人情報をWebサイトに送付する,といった使い方ができる。P3P対応のブラウザは,今のところマイクロソフトのInternet Explorer 6.0である。(矢口 竜太郎=日経コンピュータ)