ASP事業者のドカネット(http://www.dokanet.com/)は,中小の建設業者向けのASPサービスを9月17日から開始する。ユーザー企業が必要に応じたソフトを使えるよう,業務単位にソフトを提供する。すでに無料試験サービスを8月末から実施している。

 ドカネットが当初提供するのは土木工事積算のソフト。初期費用は無料で,ソフトを使用する際にIDを登録し,クレジットカードで2万5000円を支払う。ID登録してから96時間(4日)以内であれば、何回でも利用可能だ。「4日あれば入札案件などの積算には十分。ASPというより“レンタル感覚”で使ってもらいたい」と,ドカネットの泉英之社長は語る。10月からは給排水設備設計図書支援ソフトを追加する予定。

 一般に土木・建設工事には,積算や測量,品質管理などのソフトウエアが必要で,購入には数百万円の費用がかかり,中小の建設業者には大きな負担になっているという。ドカネットの泉社長は,「私自身が建設会社を経営しており,同業者の考え方はよくわかる。ASPサービスへの需要は十分ある」と強調する。このサービスでは,ユーザー側はWebブラウザだけ用意すればよい。操作に慣れてもらうために,ドカネットは試用版を無料で提供。「普通の積算担当者であれば,これで使えるようになる」(同)。

 ドカネットは富山県で建設会社を経営する泉社長が,県内外の経営者の賛同を得て7月3日に設立した。サーバー構築やデータセンターなどの技術的な支援は,ソフトバンク・グループのエーアイピーブリッジ(http://www.aipbridge.co.jp/)が行う。ASPで提供するのは,もともとスタンドアロンで動作するパッケージ・ソフトを,シトリックス・システムズ(http://www.citrix.co.jp/)の「MetaFrame」を使ってWebブラウザ対応にしたもの。これにより,サービスの低料金化を実現した。ドカネットは月に約500ユーザーの利用を見込んでいる。

鈴木 孝知=日経コンピュータ