オブジェクト指向開発などを手掛けるテクノロジックアート(http://www.tech-arts.co.jp/)は9月30日,UML(Unified Modeling Language)を使ったオブジェクト指向設計ツールの新版「Pattern Weaver 1.0」を出荷する。価格は1ライセンス当たり9万5000円。
 
 テクノロジックアートは正式出荷に先がけ,製品と同等の機能を持つフリー版を,同社のWebサイト上で無償公開する。公開日は9月15日を予定している。

 Pattern Weaverは,オブジェクト指向分析・設計のモデリング言語であるUMLを使って,クラス(オブジェクトのひな型)の内容や,クラス間の関係などを図式化したモデルを作成するために使うツールである。

 最大の特徴は,UMLモデルの一部分を「パターン」として管理できる機能を備えること。「いくつかのモデルで似たような部分をパターンとして登録すれば,より効率的に分析,設計ができる」(テクノロジックアートの長瀬嘉秀社長)。

 テクノロジックアートは,製品版の販売目標を2001年内で300本と見積もっている。長瀬社長はその理由をこう説明する。「フリー版が5000本提供できれば,たとえ製品版が300本しか売れなくても,シェアは拡大する。製品版を500本販売するよりも,その方が知名度も上がる。フリー版のユーザーには,将来バージョンアップ版を購入してもらえるかもしれない」。

 製品版とフリー版の違いは,フリー版で設計モデルを印刷すると,一部分にPattern Weaverの開発会社である米ファンデタオの社名がプリントされるというところだ。「設計モデルを印刷して納品する必要がある企業などには,製品版を購入してもらえるだろう」(長瀬社長)。

 Pattern Weaverについての質問・回答をメールで送受信するサポートサービスは,製品版のユーザーだけが受けることが可能。サポートサービスは2001年内は無料にする。(大和田 尚孝=日経コンピュータ