「マイクロソフトはISPやASP向け市場の開拓が遅れているという点に関して,非常に強い危機感を抱いている。スティーブ・バルマーCEOの号令の下,全世界レベルでシェア拡大を急いでいるところだ」。マイクロソフトでISP(インターネット接続事業者)やASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)向け事業を担当する杉山昇NSP事業部長は,日経コンピュータの取材に答えてこう語った。
マイクロソフトが危機感を抱く相手とは,ずばりLinuxである。現在,ASPやISP,ホスティング・サービス市場では,サーバー用OSとしてオープンソースのLinuxやFreeBSDが,圧倒的なシェアを築いている。WindowsNT/2000が比較的強い日本でも,「この市場におけるWindows系OSのシェアは5%程度しかない」(野田良平同社NSP事業部ソリューショングループ部長)。
ソフトウエアをサービスとして提供するという「.NET」構想を掲げているマイクロソフトとしては,ASP/ホスティング市場でのシェア拡大が急務というわけだ。「現在のWindowsの市場シェアは,問題にならないくらい低い数字だ。そこで,この7月30日にグローバルメディアオンライン(旧インターキュー)と提携し,ASP市場の開拓に着手した。遅くとも今後1年間の間に3倍くらいまで拡大したい」と目標を語る。