イー・アクセス(http://www.eaccess.net/)は8月7日,同社がADSL回線を提供しているCSKネットワークシステムズのインターネット接続サービス「Highway Internet eAccessコース」の料金を,月額5813円から2950円に引き下げると発表した。新料金体系は,2001年9月利用分から適用される。

 イー・アクセスは,既存のISP(インターネット・サービス・プロバイダ)に対してADSL回線の提供を行うホール・セラー事業に徹しており,同社のメニューとしてはHighway Internetとの組み合わせが,初の2000円台メニューとなる。

 ヤフーが月額2280円のADSL接続サービスを発表して以来,既存事業者は3000円台後半への値下げを実施していたが,ここに来て一段と値下げ競争が激しくなってきた。7月25日には,同じくADSL回線のホール・セラー事業を行うアッカ・ネットワークスが,ソニーコミュニケーションネットワークが運営する「So-net」との組み合わせで,月額2980円のサービスを8月15日から始めると発表したばかりだ。

 これで,月額2000円台のADSLサービスは,ヤフー,アッカ+So-net,イー・アクセス+Highway Internetの三つとなった。各社の価格競争の焦点は,この1カ月強で一気に半額程度の2000円台後半まで下がってきた。

 イー・アクセスは,「ヤフーはビジネス・モデル自体が違うので様子見をしていた。しかし,実績もあり当社と同じようにDSL回線の提供に特化しているアッカ・ネットワークスが価格を下げてきたため,当社も今回の値下げに踏み切った」(広報)と話している。

 回線速度が最大8Mビット/秒のサービス・メニューについても,ヤフー追従の動きが具体化してきた。アッカ・ネットワークスは,月額2980円突入の発表と同時に,月額3280円で最大8Mビット/秒のメニューも合わせて発表。まずは東京23区を対象に9月中旬からサービスを開始する。

 イー・アクセスも,「8Mへの対応は,前向きに検討している。AnnexCのフルレートに対応した機器の最終製品が出ていないので確かなことは言えないが,現在,試作機器を使って技術的な検証作業を進めているところだ」と,近い段階での発表を示唆した。

 なお,現在ADSL回線の提供数が最も多いNTT東西地域会社は,価格・速度ともに,ヤフー追従の動きを見せていない。

井上 理=日経コンピュータ