マイクロソフトは8月1日から,同社のWebサイトの新機能として,同社製品に関する技術情報を自然文で検索できるようにする。マイクロソフト製品固有の用語だけでなく,“話し言葉”を入力するだけで,アプリケーションの操作方法やOSに関する技術情報など約4万件の情報を検索できるようになる。
米マイクロソフトとその各国法人の中で,このサービスを提供するのは日本法人が初めて。マイクロソフトの東貴彦経営戦略担当取締役は,「製品固有の用語が分からないパソコン初心者でも,当社のWebサイトで的確に情報を入手できる。最近問題になっているデジタル・デバイドにも有効だ」と話す。
この機能を提供するのは,マイクロソフトのオンライン・サポート専用Webサイト(http://www.microsoft.com/japan/support/)。例えば,検索画面の入力フィールドに,「ワードで文章を上下に分けて入力する方法を教えて」と入力すると,Wordの文書の体裁を新聞のように“段組み”に変更する方法を記したWebページなどを検索結果として表示する。カタカナ表記の「ワード」や誤って音引きをハイフンにした「ワ―ド」を「Word」と認識したり,“上下”や“左右”といった単語を“段組み”と関連づけたり,できるようにした。
マイクロソフトはこの機能の開発にあたって,1999年7月から東京大学と共同で研究を進めてきた。専門用語の抽出や文章構成の解析には,東京大学情報基盤センターの中川裕志教授と,同大大学院 情報理工学系研究科の黒橋禎夫助教授が開発した技術を採用した。一方,検索エンジンや構文解析には,マイクロソフト独自の技術を利用した。
マイクロソフトは,自然文検索機能の追加を契機に,Webサイトを利用したサポート・サービスを強化していく。今年11月には,Webサイトで取り扱う技術用語を解説する辞書を公開する。来年2月には,Webサイトで対話型のヘルプ・システムを利用できるようにする予定だ。