【真相】日本語ドメインは早くても来春,変換方式が二転三転
「日本語.com」や「日本語.jp」といった,多言語ドメイン名を実現する技術の標準化作業が難航している。インターネットに関する技術の標準化作業を担当する「IETF(Internet Engineering Task Force)」は,現在,多言語ドメイン名に関するワーキング・グループを設けて標準化作業を急いでいる。しかし,未だに日本語などの言語をアルファベット(ASCII文字)に変換するエンコード方式が決まっていない。
「日本語.com」は昨年11月,「テスト」と称して登録を開始している。しかし,登録から1年経っても,実際に利用できる「普及段階」へ移行できないでいる。標準化作業が終わらないと,アプリケーション側が対応できないからだ。日経コンピュータの調べでは,標準化作業が終わるのは早くても今年末,実用化は来年春というのが有力だ。当初,IETFは「今年6月」を標準化のメドとしていた。
IETFのIDN(Internationalized Domain Names)ワーキング・グループで議長を務めるジェームス・セン氏は,日経コンピュータの取材に対して,「標準化の作業が難航している」ことを認めた。「最大のボトルネックは,ワーキング・グループ内のコンセンサスを得ることだ。標準化には,メンバーの80〜90%の同意が必要だが,現在は50%程度だ」と告白した。
中でも最大の懸案事項はエンコード方式を何にするかということ。多言語ドメイン名と言っても,実際にはASCII文字(アルファベット)のドメイン名として,インターネット上では流通する。日本語や中国語を一定の法則に従って,ASCII文字に変換する必要があり,そのエンコード方式の選定に時間がかかっているのだ。
当初,IETFは「RACE」と呼ばれるエンコード方式が有力だとしていた。そのため,日本語.comも日本語.jpも,とりあえずRACE方式での登録を行っている。しかしIETFは,今年6月に入って「RACE方式を断念し,代わりにDUDE方式で再検討する」とアナウンス。DUDE方式に固まるかと思えたが,先週,「MACE」と「AMC-Z」と呼ばれる新たな方式がDUDEの対抗馬として登場した。なお,「.com」を管理する米ベリサインやJPNICなどのドメイン管理組織も,IETFが標準化作業を終え次第,決定したエンコード方式に切り替えるとしている。
今後IETFは,DUDE,MACE,AMC-Zの三つから,最終的に採用するエンコード方式を選定することになる。IETFのジェームス・セン氏は,これらの特徴を,「DUDEはシンプルな方式だが,登録可能なダブル・バイトの文字数が14文字で変換効率が悪い。一方,MACEとAMC-Zは文字数が19文字と多いが,その分処理が複雑になる」と説明した。
(井上 理=日経コンピュータ)
■日本語ドメイン名の混乱を巡るレポートを,日経コンピュータ7月30日号に掲載します。ご期待ください。
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