旅行業界向けソフト開発・販売会社のビィー・フリーソフト(http://www.be-free.co.jp/)が10月をめどに,消費者,旅行代理店,航空会社,旅館・ホテルなどをインターネットで結ぶ旅行業界の総合ポータル・サイトを開設する。消費者と旅行代理店,あるいは消費者と旅館・ホテルなどを結ぶ「BtoC」サービスに加えて,旅行代理店と旅館・ホテル,旅行代理店どうしといった「BtoB」サービスを提供するのが特徴。これほど総合的な旅行業界向けポータル・サイトは,日本では初めて。

 ビィー・フリーソフトは,旅行業専門の基幹パッケージ・ソフト「Travel WINDS」の開発・販売元。Travel WINDSは,阪急交通社や近畿日本ツーリスト,日本旅行など60社が利用しているという。2000年10月には,Travel WINDSをベースに実現した旅行代理店と消費者間のBtoCサービス「Travel ANSWER」の提供を開始。10社がすでに利用しており,Travel ANSWERで取り引きされている旅行パッケージの数は,国内旅行が1500コース,海外旅行が1000コースに及ぶ。

 10月に開始する総合ポータル・サイトは,このTravel ANSWERを拡張して実現する。第一弾として,パッケージ・ツアーをコーディネートする旅行代理店とそのパッケージを販売する旅行代理店との間の取引を扱うBtoBサービスを7月16日から開始する。「10月には,消費者が旅行代理店を通じずに直接,旅館やホテルを予約可能にする。また,代理店経由で予約した旅行の内容を急きょ変更する必要が生じたときは,ポータルから予約内容を変更すれば,そのデータが代理店側にも反映されるようにする」(ビィー・フリーソフトの綿引隆一社長)計画だ。

 旅館やホテルは,このポータル・サイトに参加するにあたって,規模(客室数)に応じて月2万~20万円のサイトへの登録料を支払う。ポータル・サイトにおける一連のサービスは,NTTコミュニケーションズのデータ・センターやグローバルIPネットワークを使って実現する。NTTコミュニケーションズは,旅館・ホテル向けの営業も協力する。

 ビィー・フリーソフトがこの総合ポータル・サイトで目指すのは,「旅行業務全般の標準化」(綿引社長)。「今まで,旅行業界は企業ごとに異なる手続きやシステムを使っていた。例えば航空会社は,各社ごとに違うシステムを使用していたため,旅行代理店はそれぞれと接続するシステムが必要だった。このポータルを使えば,旅行代理店,航空会社,旅館,消費者がそれぞれ,様々な取引を容易に実行できるようになる」(同)。JTBやエイチ・アイ・エスなどの大手に対しても,参加を働きかけていく考えだ。

島田優子=日経コンピュータ