ポータル・サイト大手のエキサイトは7月10日,インターネットから実際の絵はがきを全国に無料で郵送するサービス(http://hagaki.excite.co.jp/)を開始する。擬似的なポスト・カードをインターネット上で届けるサービスは多数あるが,実際の郵便物をインターネットから無料で出せるサービスは珍しい。

 ユーザーは数種類の絵はがきの中から好きなものを選択し,自分と送付先の住所・氏名,150文字以内のメッセージなどを入力する。すると,メッセージなどが印刷された絵はがきが,数日後には送付先に郵送される。ただし,同一ユーザーが1カ月に送れるのは5枚のみ。商用利用されるのを防ぐためだ。

 無料のからくりは,絵ハガキについている広告。エキサイトは,スポンサーからの広告収入で郵送費を賄う。スポンサーにとっては,ダイレクト・メール(DM)を送るための住所データがなくても,ユーザーが勝手に送付してくれるため,手間が大幅に省ける。

 さらに,「DMの効果が上がることも期待できる」(エキサイト広報)。送り主となるユーザーは,何種類も用意されている絵はがきの中から,送りたい人に最も合った絵はがきを選択する。例えば,送りたい人が自動車に興味があったら自動車の絵ハガキを選ぶはず。このようにして,スポンサーは広告が送られる人の属性を知ることができる。結果として,ハガキにスポンサー提供している企業にとっても,送られた人にとってもメリットがあるという。

 サービス開始当初の絵ハガキの種類は,7種類程度。今後,順次種類を増やしていくという。なおエキサイトは,今回のサービスを提供するために,大阪のベンチャー,ドゥカードシステムと提携した。同社も,同様のサービスを自前で行っており,エキサイトはドゥカードシステムのビジネス・モデルを借りる形でサービスを開始する。

井上 理=日経コンピュータ