ボーランド(http://www.borland.co.jp/)は6月26日,Java開発ツールの新版「JBuilder 5」を発表した。前版のJBuilder 4から約8カ月ぶりのバージョンアップで,XMLアプリケーションの開発機能を搭載したのが最大の目玉だ。7月12日に出荷開始する。

 JBuilderは,Javaアプリケーションの作成を支援するビジュアル開発ツール。EJB(Enterprise JavaBeans)やCORBA(Common Object Request Broker Architecture)を使ったサーバー・アプリケーションを作成できるほか,JBuilder自身がJavaで記述されているため,Windows,Linux,Solarisといったマルチプラットフォームで利用できる。

 現在,日本で販売されているJava開発ツールの中ではシェア・トップとみられる。「日経BP社が2000年11月に実施した調査では,Java開発者の43%がJBuilderを利用しているという結果だった。現在では,それ以上のシェアを獲得していると思う」と,ボーランドの安藤由男社長は語る。

 JBuilder 5の主な強化点は,(1)XMLアプリケーションの作成機能を追加,(2)対応アプリケーション・サーバーを増やした,(3)チーム開発支援機能を強化,の三つ。最も大きいのは(1)。XMLデータを処理するためのソフト部品(JavaBeans)を生成する機能を搭載するほか,JDBCに対応したRDB(リレーショナル・データベース)上のデータとXMLデータを,相互に変換するためのソフト部品「XML Beans」を提供する。

 (2)では,新たに日本IBMのアプリケーション・サーバー「WebSphere」に対応。これでJBuilderは,日本BEAシステムズの「WebLogic」,ボーランドの「AppServer」,WebSphereという3種類のアプリケーション・サーバーに対応したことになる。(3)では,マイクロソフトの構成管理ソフト「Visual SourceSafe」との統合機能を追加した。

 JBuilder 5はPersonal,Professional,Enterpriseの3製品で構成される。Personalはエントリ版で,最小限の機能しか持たない。前版のJBuilder 4では「Foundation」という名称で,無償で提供していた。JBuilder 5 Personalは,マニュアルなしの無償ダウンロード版(ダウンロード開始は7月下旬を予定)のほかに,マニュアルとCD-ROM付きの有償版(4800円)を用意する。

 Professionalは,データベースやサーブレットを使った開発機能を備える。価格は6万8000円。最上位版のEnterpriseは,EJBやCORBA開発機能を備える。価格は36万円。ProfessionalとEnterpriseの価格は,JBuilder 4と同じである。Professionalに関しては,7月12日から12月22日まで,キャンペーン価格の4万8000円で販売する。ただし,このキャンペーン価格は,ボーランドストア(http://store.borland.co.jp/)で購入する場合のみ適用される。

田中 淳=日経コンピュータ