実験に使用するアクセス・ポイント 日本エリクソン(http://www.ericsson.co.jp/)は,喫茶店,家電販売店,列車内といった,不特定多数の人が集まる場所で,Bluetoothによるインターネット接続サービスの実証実験を始める。プロジェクト名は「B.L.T.」。「Bluetooth Launch Trial」の略という。7月下旬にも,都内2カ所の喫茶店にBluetooth用のアクセス・ポイント(写真)と,Bluetooth機能を備えたパソコンを設置し,インターネットに接続できるようにする。Bluetoothを搭載したPDA(携帯型情報機器)を100人のモニターに貸与し,来店を促す。

 Bluetoothなどの無線によるインターネット接続サービスを備えた施設は「ホット・スポット」と呼ばれており,欧米で注目を集めている。日本エリクソンの鈴木寛ニューアカウント事業本部長は,「今回の実験をもとに,日本でもホット・スポット関連事業のビジネスモデルを検討したい」としている。

 実験には日本エリクソンのほか,総合商社の丸紅,PDAベンダーのハンドスプリング(http://www.handspring.co.jp/)が中核メンバーとして参加する。日本エリクソンはアクセス・ポイントをはじめとする,ホット・スポット内のインフラ整備を担当する。丸紅はホット・スポットとインターネットを結ぶ通信回線の確保に協力する。さらに将来的にはホット・スポットの設置サービスを事業化することを検討していうる。ハンドスプリングはモニター用のPDAを提供する。

 7月からの実証実験の場になるのは,東京・有楽町にある「Marunouchi Cafe」と,同・台場にある「Communication Port www. so-net/cafe(http://www.so-net.ne.jp/cafe/)」の2店。両店舗には,いずれもインターネットに接続できるパソコンがすでに設置してある。さらに今秋以降,大手パソコン量販店の「ソフマップ」の一部店舗や,山陽新幹線の車内でも,同様の実験を始める。

 これらのホット・スポットには,独自のコンテンツを蓄積したローカル・サーバーを設置する。「例えば,デパートにホット・スポットを設置した場合は,『今10階で特売をしている』といった情報を配信することが考えられる」(鈴木本部長)という。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ