「1980年代から『COBOLは死んだ』と言われ続けてきた。しかし,今でもCOBOLは立派に利用されている。COBOL製品を扱う我々が驚くほどだ。今後も使われ続けるだろう」。こう断言するのは,WindowsやUNIX用のオープン系COBOL開発ツールを開発・販売するメラント(http://www.merant.co.jp/)の田島裕史代表取締役。「Webサーバー上でCOBOLプログラムを利用する企業も増えてきた。2000年問題にカタが付いた現在でも,COBOL関連製品の需要は決して小さくなっていない」。

 メラントは7月16日に,ソース・コード解析ツール「Micro Focus Revolve」の新版6.1Jを出荷する。Micro Focus Revolveは既存のプログラムの内容を解析し,その結果を図示したり,影響分析を実行したりするためのツール。COBOLのほかに,PL/IやSystem 390アセンブラなどで書かれたプログラムも解析できる。COBOLなどで書かれたプログラムの再構築や保守を支援するのが狙いだ。「Micro Focus Revolveは,特に2000年問題対策の際に,2桁の年号を探すためによく利用された。今でも,既存のCOBOL資産を見直したい,あるいは活用したいという目的で引き合いは多い。COBOL資産を生かすことは,COBOL開発者という“人的資産”を生かすことにもつながる」(田島代表取締役)。

 Micro Focus Revolve 6.1Jの目玉は,COBOLの日立拡張仕様に対応したこと。「従来のバージョンは基本的にIBMメインフレームのCOBOLを対象としていた。しかし,日立ユーザーからの要望が多かったので,日立のCOBOL仕様にも対応した」と田島代表取締役は話す。動作OSはWindows 95/98/NT/2000。価格は50万円。年間1000本の販売を目指す。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ