日本ビクター(http://www.jvc.co.jp/)は,通信速度が100Mビット/秒のオフィス向け光無線LANシステム「VIPSLAN-100」を7月27日に発売する。100Mビット/秒で「1対多」の通信を実現した製品は,世界で初めて。これまで1対多型の光無線LANシステムは10Mビット/秒が最高速で,100Mビット/秒の光無線システムはビル間を1対1で結ぶ製品しかなかった。

 VIPSLAN-100は,波長が850nm(ナノメートル)の近赤外線を利用する。電波を使う方式の無線LANと違い,ハブを設置した部屋の内部にあるノードとしか通信できないので,隣の部屋や建物の外から通信内容を盗聴される心配がない。

 100Mビット/秒のイーサネット(100BASE-TX)と互換性がある。ハブとノード間の距離は5mまで。1台のハブに接続できるノードの台数に制限はない。ノードにはハブと通信する際の光軸を自動調整する機能があり,ノードを移動させた場合は平均5秒でハブの位置を探し出して再接続する。ノードの大きさは幅82×奥行き95×高さ95mm。重さは220g。

 価格は,ハブが14万8000円,ノードが4万9800円。出荷開始は7月27日。今回の新製品投入に合わせて,これまで販売していた10Mビット/秒の光無線LANシステム「VIPSLAN-E」を大幅に値下げする。ハブは16万8000円から8万4000円に,ノードは6万9800円から3万5000円にそれぞれ引き下げる。

中村 正弘=日経コンピュータ