日本AMDは,サーバーおよびワークステーション向けのインテル互換プロセサ「AMD Athlon MP」を発表した。同社のプロセサとして初めて,マルチプロセサ構成に対応する。「この製品によって,現在PentiumIIIが使われているサーバー/ワークステーション市場に参入する。来年にはPentiumIIIを追い抜いて,市場の勢力図を塗り替えたい」と,米AMDのヘクター・ルイズ社長兼COO(最高執行責任者)はぶちあげる。

 Athlon MPは,同時に発表したチップセット「AMD-760 MP」と組み合わせて使うことにより,最大2プロセサ構成がとれる。動作周波数は1GHzと1.2GHzの2種類がある。AMDによれば,どちらも1GHz動作のAthlon MPとPentiumIIIの2プロセサ搭載機を使って3次元グラフィックス性能を比較したところ,Athlon MP搭載機のほうが10~13%高かったという(使用したアプリケーションはSoftimage XSIと3D Studio Max)。

 AMDは,世界で50社以上のハードウエア・メーカーがAthlon MP搭載機を製品化する計画としている。ただし現時点では,大手メーカーで採用意向を表明したところはない。

 同社は2001年中に,最大4プロセサ構成が可能なプロセサとチップセットを投入する。さらに2002年には,最大32プロセサ構成が可能で64ビット対応のプロセサを出荷する計画である。

中村 正弘=日経コンピュータ