ソフトバンク・グループでネットワーク事業を統括するソフトバンク ネットワークス(東京都港区)が,今夏以降,ブロードバンド関連の新サービスや新製品を続々と投入する。

 この6月には,サーバーのホスティング・サービスを月額1万円台からの低料金で提供開始。8月には日本と米国を結ぶバックボーン・ネットワークの運用を始める。さらに2002年3月までに,一般家庭にある電灯線を使って高速なデータ通信を可能にする機器の提供を開始する。同社はこれらに先立ち,昨年からオフィス・ビル/集合住宅向けの高速インターネット接続サービスも提供している。
 新たに投入するサービスや製品のうち特に注目されるのは,電灯線によるデータ通信のための機器だ。日ごろ家電製品への電力供給などに利用している電灯線をそのまま使い,2.5M~40Mビット/秒の速度でデータを送受信できるようにする。機器は,提携先である英エヌサインの製品を日本市場向けに改良して開発。同社との合弁会社を通じて販売する。

 国内における電灯線を使ったデータ通信の規格としては「ECHONET」があるが,電波法の規制により450KHz以下の周波数帯を使うため,通信速度は9.6kbps程度と遅い。この方式が国内で普及しないのは,そのためだ。だが,総務省は2001年度内にも電波法の規制を緩和することを検討している。ソフトバンク ネットワークスは規制緩和の実現を待って,機器の販売を開始する。

高下 義弘=日経コンピュータ