新生銀行(旧・日本長期信用銀行)は6月5日から,リテール(個人顧客)向け商品を一新する。普通預金や外貨預金,投信信託商品などを一つの口座で管理できる総合口座「PowerFlex」を新たに導入する。同社の八城政基会長兼社長が「業務プロセスの見直しや最先端のシステム技術を導入することで浮いたコストをお客様に還元する」と語るように,他行より高い金利や安価な手数料を適用する。この新商品を支えるのが,今回,全面再構築した基幹系システムだ。

 新生銀行は,わずか1年弱で,基幹系システムを完全に再構築した。インドのi-flexソリューションズが開発した銀行業務向けパッケージ「Flex Cube」をはじめとするパッケージの採用や,インドのシステム・インテグレータの活用などによって,開発期間を短縮した。新システムはUNIXサーバーをはじめとするオープン系プラットフォーム上で動作する。システム投資額は約60億円。「通常の銀行の10分の1のコストと,3分の1の開発期間でシステムを刷新できた」と八城会長兼社長は胸を張る。

 機能的にも,これまでの邦銀のシステムとは一線を画する。勘定系と情報系を一体化するなど,システム間のリアルタイムな連携を強化した。これにより「商品別,顧客別の収益を月次で算出できるようになった」(八城会長兼社長)。24時間365日稼働は当然のように実現しており,夜間でもインターネットやコールセンター経由で振り込みなども可能だ。

星野 友彦=日経コンピュータ