日本ヒューレット・パッカード(日本HP)とKPMGコンサルティング日本法人は5月28日,CRM(顧客情報管理)システムの構築事業で提携した。両社は日本オラクルの「OracleE-Business Suite 11i」に含まれるCRMソフトの拡販に共同で取り組む。KPMGはオラクル製品のシステム構築の実績を生かし,CRMシステム構築に伴うビジネス・プロセスの立案を担当する。日本HPのコンサルティング部門は技術面の支援が中心なので,KPMGの力を借りることにした。

 OracleE-Business SuiteはCRMを含むERPパッケージ。このうちのCRMソフトの利用を,日本HPとKPMGは顧客に強く薦める。「ターゲットを絞ることで,CRMソフトの売り上げに弾みをつけたい」と日本HPの藤本康秀ビジネスマネージャは語る。顧客が要望すれば,CRMソフト以外のモジュールの導入も支援する。

 今回の提携の目標は高い。両社合計で年間50億円超の売り上げを目指す。この目標値には,ハードウエア,ソフトウエア・ライセンス料,コンサルティング料,システム・インテグレーション費用,運用サポート料を含む。KPMGの取り分は,「そのうちの1割程度」(椎名茂シニアマネージャー)となる見通しだ。

 米ヒューレット・パッカード(HP)と米KPMGは,それぞれ米オラクルと提携している。HPは世界各地の拠点で,5000人以上の営業担当者がOracleE-Business Suiteを利用している。KPMGは世界で1000人以上のオラクル製品担当スタッフを抱え,数多くの導入実績を持つ。

(矢口 竜太郎=日経コンピュータ