NTTドコモの立川社長 「いろいろな国を見てきたが,携帯電話の使い方が一番上手なのは,やはり日本。ただし,IMT-2000による次世代携帯電話についてもそうなるかどうかは即断できない。次世代携帯電話の使い方やコンテンツ開発で,海外勢に抜かれてしまうことも十分考えられる」。NTTドコモの立川敬二社長は5月22日,モバイル関連のセミナー後に開かれたレセプションの会場で,こう発言した。

 携帯電話産業の担い手の一人である立川社長が,ある種の危機を感じるのは,IMT-2000の時代には,携帯電話向けコンテンツの開発がいっそう重要になる,と考えているからだ。「ソフトウエアはハードウエアと違って,大企業でなくても開発できる。そうなるとインド,中国,イスラエル,フィンランドのように高いソフト開発力を持つ国の企業が,どんどん携帯電話向けのコンテンツ市場に入ってくるようになる。願わくは,日本企業もコンテンツの市場で頑張ってほしい」と立川社長はエールをおくる。

 次世代携帯電話サービスが欧米各国で本格化して,コンテンツが世界中に流通するようになると,コンテンツの開発競争はこれまで以上に熾烈になると予想される。立川社長は「そうなっても日本が簡単には負けない分野がある」という。ゲームとアニメのコンテンツだ。「ゲームやアニメを作る人はすごい。次々と新しいアイデアを生み出して製品化しているから。日本のゲームとアニメはどこにいっても高く評価されるだろう」と続ける。

栗原 雅=日経コンピュータ