有力地銀の静岡銀行(http://www.shizuokabank.co.jp/)は5月16日,法人向けの新しい入金照合サービス「マッチングナビ」を開始した。このサービスは,銀行に振り込みをする顧客ごとに「仮想口座」を用意して,受け取り企業の入金確認業務を効率化するもの。仮想口座を使う振り込み処理の仕組みについては,三井住友銀行(当時は住友銀行)が昨年2月にビジネスモデル特許を取得している。静岡銀行は今年2月19日に,住友銀行とこのビジネスモデル特許の実施許諾契約を結び,今回のサービス開始にこぎ着けた。国内の金融機関同士が,ビジネスモデル特許の実施許諾契約を交わし,実施に至ったのは今回が初めて。

 住友銀行が取得したビジネスモデル特許の名称は,「振込処理システム」(特許番号は第3029421号)。住友銀行は1999年3月から,この特許内容の仕組みを採り入れた入金照合サービス「パーフェクト(http://www.smbc.co.jp/hojin/eb/perfect/)」を開始している。そのため,このビジネスモデル特許は通称「パーフェクト特許」と呼ばれている。

 静岡銀行は2000年夏頃から,新しい入金照合サービスを始めるためのシステム開発の基本設計に着手した。その過程で,住友銀行が持つビジネスモデル特許に目をつけ,仕組みに採り入れる検討を開始。住友銀行との交渉を進め,今年2月の許諾契約に至った。

川又 英紀=日経コンピュータ

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