「当社のビデオチャット・システムは世界初の技術を採用している。大手のインターネット接続プロバイダーが5月中に,会員向けサービスとして当社のビデオチャット・システムを提供することが決まっている。小中学校の間で生徒たちが動画を見ながら情報を交換できる仕組みを,一部の市で実現する予定もある。3年間で450万顧客の獲得を目指した」。ジャパンメディアシステム(http://www.jm-s.co.jp/)の富樫泰章社長はこう語る。

 ビデオチャット・システムは,インターネットを介してパソコン同士で動画や音声のやり取りをするもの。ジャパンメディアシステムが4月から発売したビデオチャット・システム「Vchat」の特徴は,グローバルIPアドレスを持たないパソコンでもビデオチャットを利用できる点だ。

 従来のビデオチャット・システムでは,企業内LANなどに接続したパソコンはビデオチャットを利用できなかった。ジャパンメディアサービスは,「今回のビデオチャット・サービスの仕組みについて,2000年11月に特許を出願している」(富樫社長)。

 また,Vchatはパソコン同士のデータをピアツーピアで送受信する仕組みを採用している。利用者はログオンする時だけ,ユーザー認証を受けるためにVchatのサーバーに接続する。認証を受けた後は,サーバーを経由せずに直接パソコン同士で動画や音声データをやりとりする。このため,「サーバーに負荷はほとんどかからず,効率的なデータのやり取りが行える」(町田詔一Vchat事業部営業部長)という。(大和田 尚孝=日経コンピュータ