E.ピファニーのシボーニCEO 統合版CRM(顧客情報管理)ソフトベンダー大手,米E.ピファニーのロジャー・シボーニ社長兼CEO(最高経営責任者)が日経コンピュータ記者と会見,今後成長が見込まれる日本市場への取り組みを語った。

 シボーニCEOは,「当社は新世代のCRMを作ったと自負している。顧客の状況を理解し,その上で顧客に合った提案を出し,顧客とコンタクトするという一連の活動をすべて支援できる製品だ」と強調した。

 E.ピファニーの製品「E.5」は,顧客の購買履歴や属性情報などを収集・分析する機能,販売促進のキャンペーン活動を管理する機能を持つ。さらに,SFA(セールス・フォース・オートメーション)ソフトが持つような販売活動を支援する機能も含む。電子メールや電話,チャットなど多様なチャネルで顧客にコンタクトした結果を一元的に管理できるという。

 米国では,米マイクロソフト,米アマゾン・ドットコムといった企業がE.ピファニーのソフトを導入している。「日本市場でも必ず導入が進む。これまで日本でCRMソフトがあまり受け入れられてこなかったのは,SFA(セールスフォース・オートメーション)のようなトラディショナルな製品をCRMといって顧客に押しつけてきたからだろう」(シボーニCEO)。

 ただ,広範囲な機能を盛り込んだため,E.5の価格は高い。3月に出荷を開始した「E.5 アナリティック プラットフォーム」日本語版の価格は最小構成で2000万円である。

 この点について,シボーニCEOは,「製品としてベストなものを作った結果,高くなったことは否めない。そこで,ユーザー企業に提案する時に,投資をどのくらいの期間で回収できるかを明示している。米アジレントは当社の製品を導入した半年後に,投資した額の10倍の収益が上がった」と話す。中には,「稼働させた第1週ですべての投資を回収した事例もあるという。

 E.5はすべての機能をWebブラウザから利用可能できる。このため,運用コストも安くて済む。「ERPパッケージのように導入費用が高く,使い勝手が悪い製品とは違う」とシボーニCEOは主張した。

 E.ピファニーのは3月に,日本法人「日本E.ピファニー」(http://www.japan.epiphany.com/)を設立。同時に,最初の日本語版製品であるアナリティック プラットフォームの出荷を始めた。

坂口 裕一=日経コンピュータ