米IBMがデータベース事業で米オラクルを追撃するため,なりふりかまわぬ戦術を取り始めた。IBMは4月24日に,米インフォミックスのデータベース部門を10億ドルで買収することを発表。狙いは,インフォミックスの顧客をIBMの顧客にしてしまうことだ。買収手続きは2001年第3四半期に実施する予定。

 インフォミックスは現在でこそ,オラクルの後塵を拝しているが,もともとはデータベース・ベンダーの草分け。現在でも米シアーズや独ドイツテレコムをはじめ,広範な業種に世界各地で10万社以上の顧客を持つという。IBMはこの顧客を,自社の顧客にできる。

 IBMは,インフォミックスの全データベース関連製品を世界各地の市場で販売していく,としている。しかし,あくまでも本命はIBMのデータベースDB2である。中期的に,インフォミックス製品は一部の機能がDB2の将来版に組み込まれて存続する形になっていくだろう。

 今回の買収は全世界的なもの。日本IBMがインフォミックスの日本法人を傘下に収めることになる。今後の体制については,詳細が決まった段階で公表する。(中村 正弘,谷島 宣之=日経コンピュータ

【IT Pro注】

米IBMが米インフォミックスのDBMS部門を10億ドルで買収