ベンチャー企業のアイディーエス(http://www.ids.co.jp/)は,インターネット接続機能付き携帯電話用のユーザー認証ソフト「MITS」の動作環境を拡充する。5月からOSにSolarisを,データベース・ソフトとしてOracleを使える製品を出荷する。6月にはAIXとDB2に対応した製品を出荷する。いずれMITSの導入を計画しているユーザー企業の要望にこたえる。同社はMITSの出荷を昨年11月に始めたが,これまではLinux/PostgreSQL版しかなかった。

 MITSは,自社のWebサイトに対する携帯電話からの不正アクセスを防止するためのサーバー・ソフト。WebサイトのURLをアクセスの度に変更することで実現する。ユーザーは携帯電話からMITSを搭載したサーバーにアクセスし,ユーザーIDとパスワードを入力する。これが認証されると,MITSサーバーは毎回異なったURLを生成し,事前に登録してあるユーザーの携帯電話にメールとして送信する。Webサイト本来のURLと,毎回送信するURLはMITSサーバーが変換する。こうした仕組みにすることで,Webサーバーの本物のURLは外部に漏れない。また,事前に登録してあるメール・アドレスにしか,アクセス用URLを送信しないので,仮にユーザーIDやパスワードが漏れたとしても,別の携帯電話からは利用できない。携帯電話を盗まれても,ユーザーIDやパスワードで保護される。

 MITSはユーザー数が無制限なので,利用者数が増えるほど割安になる。ライセンス料はサーバーの搭載プロセサ数1個当たり160万円。

安保 秀雄=日経コンピュータ