日本ネットワークアソシエイツ(http://www.nai.com/japan/)は5月中旬より,ウイルス対策などセキュリティ関連ソフトをインターネット経由で貸し出すASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)事業「McAfee ASaP」を開始する。

 日本ネットワークアソシエイツの寺澤廣一副社長は,「ASP方式をとることで,ウイルス対策ソフトの定義ファイルを自動更新する機能を提供しやすくなり,企業のセキュリティ担当者は管理の負担を軽減できる。特に,専任のセキュリティ担当者を確保することが難しい中堅中小企業などに向けて,McAfee ASaPを提供していきたい」と話す。

 McAfee ASaPは,ウイルス対策サービスの「VirusScan ASaP」と,Webサーバーのぜい弱性を検知する「PGP CyberCop ASaP」の二つがある。サービス価格は,VirusScanが,1ユーザーあたり年額8400円から。CyberCopは,10万9800円(検査6回分)から。

 VirusScan ASaPを利用するにあたっては,専用のWebサイト(http://www.McAfeeASaP.ne.jp)で利用手続きを済ませる。すると,1.7MBの大きさの専用ソフトがパソコンにダウンロードされる。この専用ソフトは,パソコンに常駐させておき,インターネットやフロッピ・ディスクから,ダウンロードしたファイルを検知する。加えて,ユーザーが指定したフォルダに含まれるファイルを検知する機能も備える。

 ウイルス定義ファイルは,パソコンをインターネットに接続したときに自動的に更新される。ネットワークアソシエイツのデータセンターに自動的に接続して,最新の定義ファイルをダウンロードする仕組み。

 同一のLAN上で接続された複数のパソコンに専用ソフトがインストールされている場合,専用ソフト同士が通信して定義ファイルを共有するピア・ツー・ピア機能を備える。LAN上のあるパソコンが,定義ファイルを更新していれば,他のパソコンとの間で通信し,定義ファイルを更新する。

 「LAN上の1台のパソコンが定義ファイルを更新するだけで,他のパソコンが再び定義ファイルを更新する。このために,インターネットにいちいち再接続する必要がない。度重なる定義ファイルの更新のために,インターネットの通信速度が遅くなるといった事態を防ぐことができる」とマーケティング本部の青木大知氏は説明する。

 一方,PGP CyberCop ASaPは,ネットワークアソシエイツが用意した専用ページから手続きをして,Webサーバーやファイアウオール,ルータなど調べたい機器などを指定する。検査結果は専用のWebページから閲覧できる。測定可能なOSはWindows,UNIXなど。(西村 崇=日経コンピュータ