Linuxディストリビュータ大手のターボリナックス ジャパン(http://www.turbolinux.co.jp/)は,Linuxの最新版「カーネル2.4」の採用時期を当初の計画よりも3カ月,先送りにした。カーネル2.4を搭載したクライアント向けLinuxディストリビューション「Turbolinux Workstation 7」は2001年第3四半期に,サーバー向け製品「Turbolinux Server 7」は同年第4四半期(2001年末)に,それぞれ出荷する。

 同社とその親会社である米ターボリナックスは2001年1月時点で,カーネル2.4搭載製品の提供時期をクライアント版は2001年前半,サーバー版は同年第3四半期としていた。提供時期を先延ばしした理由をターボリナックス ジャパンの小島國照社長は,「カーネル2.4は安定性にまだ問題があるというだけでなく,その上で稼働するアプリケーションがほとんどない。ビジネス用途で利用できる段階ではない」と説明する。

 そこで同社は,従来版のカーネル2.2.18に,カーネル2.4の新機能を取り込んだLinuxディストリビューションを提供していく。2月16日に発売したサーバー向け製品「Turbolinux Advanced Server 6」に続いて,やはりサーバー向けの製品「Turbolinux Server 6.5」を4月20日に発売する。

 どちらの製品も,複数のハードディスク・ドライブを単一ディスクとして扱うLVM(ロジカル・ボリューム管理)機能を追加,使用できる物理メモリー容量を最大4Gバイトに拡張,ファイル・サイズの上限を2Gバイト超に拡大,アプリケーションがファイル・システムを介さずにハードディスクを直接読み書きする「raw(ロウ)デバイス」機能を追加,ファイルの更新履歴を記録するジャーナリング・ファイル・システムを装備,といった点でカーネル2.4の新機能を先取りしている。ただし,カーネル2.4の目玉である,最大8プロセサのマルチプロセサ機能は組み込まれていない。(中村 正弘=日経コンピュータ