マイクロソフトは4月2日,統合オフィス・ソフトの次期版「Office XP」の製品概要を発表した。マイクロソフトによれば,Office XPの競合製品は,「売れすぎた現行バージョンであるOffice2000,あるいは前バージョンのOffice 97」である。出荷は2001年第2四半期(4~6月)から。新規購入の場合,推定市場価格は企業の上級ユーザー向けの「Professional」が6万9800円。家庭向けの「Personal」が4万4800円。

 マイクロソフトは,「Office2000は過去のOffice製品の販売記録をうち破るほど,好調に販売できた」(大企業向けビジネスを担当する瀬戸口靜美執行役員エンタープライズ ソリューション本部長)という。売れすぎたOffice2000が,Office XPのスタートダッシュの足をひっぱる可能性もあるわけだ。横井伸好オフィス製品部マネージャは,「はっきり言って,既存のOfficeユーザーに,いかにXPを使ってもらうかが我々の課題」と語る。

 瀬戸口本部長は,「Office XPの開発コンセプトは,これまで通り,個人の生産性向上にある。ただし,個人の生産性向上を通じて,チームの共同作業,ひいては企業経営の効率化にまで貢献できる製品に仕上がった」と訴える。

 マイクロソフトはOffice XPの使いやすさを強調して,新規導入を促す考えだ。「Office XPの新機能は,メリットが分かりやすいものが多い。文字を入力する時にフォーマット変更を直感的に支援する『スマートタグ』などは,その一例。日常の作業がどんなふうに便利になるかということを,アピールしていく」(横井マネージャ)。

 恒例の乗り換えキャンペーンも4月2日から実施する。キャンペーン期間中に現行版のOffice2000を購入したユーザーに対し,XPへのアップグレード・サービスを提供する。企業向けキャンペーンは5月31日まで。一定数のライセンスを購入した企業を対象に,Office XPへ無償アップグレードできるようにする。個人向けキャンペーンは7月31日まで。Office XPへ優待価格でアップグレードできるようにするほか,抽選でグアム旅行などをプレゼントする。(玉置 亮太=日経コンピュータ