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米ニューヨークで開かれた発表会の席上,米サンのスコット・マクニーリ会長兼最高経営責任者(CEO)は,「メインフレームの技術を,格段に安価なUNIXサーバーに取り込んだ。高価で,導入に特別なスキルの必要なメインフレームはもういらない」と豪語,壇上に置かれたメインフレームの模型を押し倒すパフォーマンスを見せた(写真1,2)。
SunFireサーバーの可用性を向上させるため,サンはハードウエアを徹底的に多重化した。ネットワーク・カードや電源,電源コード,ファンはもちろんのこと,「Fireplane Interconnect」と呼ぶシステム・バス,入出力コントローラなどが2重化,3重化されている。2重化の対象は,システム・クロックを生成する半導体にまで及ぶ。「システム・クロックはたった数ドルの部品だが,これが壊れるとシステム全体がダウンしてしまう。ここまで冗長性にこだわったのはサンだけだ」と,製品マーケティング担当のシャヒン・カーン副社長は主張する。「SunFireサーバーのすべての部品は,冗長構成になっている」とまで言い切る。
SunFireサーバーのもう一つの売りは,動作中にシステムの構成を変更できること。プロセサ・ボードやメモリー・ボード,入出力コントローラといった主要部品を動作中に抜き挿しして,故障モジュールの交換やシステムの強化ができる。発表会では,動作中のSunFireサーバーから,プロセサ・ボード,入出力コントローラ,システム・バス・モジュール,電源,電源ケーブルなどを次々と取り外すという“荒っぽい”デモを無事に成功させた(写真3)。さらに,動作中のOSカーネルにパッチを当てるデモも見せた。
さらにSunFireシリーズは,ハードウエア資源(プロセサやメモリー,入出力コントローラなど)を複数の区画に分割し,それぞれで異なるシステムを動かすこともできる。各区画に割り当てるハードウエア資源をシステム動作中に変更できることから,「Dynamic System Domain(DSD)」と呼ぶ。これまでDSDは,同社の最上位機「Sun Enterprise10000(通称Starfire)」だけで利用可能だった。
これらの特徴から,サンはSunFireサーバーを「ミッドフレーム」と自称している。「メインフレーム並みの機能をミッドレンジ機の価格で提供する」(マクニーリ会長兼CEO)と意気込む。
今回発表されたSunFireサーバーは,(1)UltraSPARC IIIを最大24個搭載する「SunFire6800」,(2)同最大12個の「SunFire4800」,(3)同最大8個の「SunFire3800」の3機種。このうちSunFire4800にはラックマウント型の派生機種「SunFire4810」がある。最上位機種のSunFire6800は,メインフレームMIPS換算で1950MIPS相当の性能を発揮するとしている。