Click Here! マイクロソフト日本法人は3月13日,今年後半に出荷する次期OS「Windows XP」を日本で初めて公に披露した。ただし内容は,米マイクロソフトが米国で2月に公表した内容と同じ。開発途中のベータ版だったため,新しいユーザー・インタフェース(画像をクリックすると拡大表示)や動画や音声の編集機能,ヘルプデスク機能など,ごく一部の紹介にとどまった。

 今回マイクロソフトが披露したのは,企業クライアント向けである「Windows XP Professional」と,家庭向けである「同 Home Edition」。同社でWindows製品のマーケティングを担当する御代茂樹Windows製品部長は,「Windows XPは史上最大の変革をもたらす。直感的でシンプルな操作感覚を追求した」と説明。革新的な経験(eXPerience)を提供するという主張を繰り返した。

 発表の席上,御代部長は「Linuxの脅威は非常に大きい。Windows XPによって,台頭しつつあるLinuxの勢いをくい止めたい」とも語り,Linuxがサーバーからクライアントの領域にも影響力を伸ばしつつあるという認識を示した。その上で御代部長は,「クライアント・パソコンでは,初心者がとっつきやすい環境をいかに整えるかが重要。その点,Windowsに関しては,当社からはもちろん販売店や各種メディアなど,豊富な情報を提供することができる。こうしたエンド・ユーザーのサポート体制は,Linuxにはないものだ」と話し,Windowsの優位性を強調した。

 マイクロソフト日本法人は,Windows XPのサーバー版についてはごく簡単に触れるにとどめた。「サーバー版はまだ正式名称も決まっていない段階。出荷はクライアント版よりも3カ月程度あとになる」(御代部長)という。それでもWebサーバー用途に特化した「Webバージョン」の製品化を計画していることは明言した。64ビット版Windows XPについては,企業クライアント向けであるWindows XP Professionalと,サーバー版を用意する。64ビット版はハードにプリインストールしての販売だけで,パッケージは用意しない。

玉置 亮太=日経コンピュータ