国際的な情報技術(IT)関連標準化団体であるThe Open Group(http://www.opengroup.org)のアレン・ブラウン社長兼CEO(最高経営責任者)は日経コンピュータ記者に,「Open Groupがブランディングを請け負う次期統一UNIX仕様(Next Version of the Single UNIX Specification)にLinuxを包含することになる」と述べた。次期統一UNIX仕様に基づくUNIXを使うユーザーは,これまでの統一UNIX上のアプリケーションに加え,Linux用アプリケーションも利用できるようになる。

 ブラウン社長によると,次期統一UNIX仕様は,既存の統一UNIX仕様に,Linuxの固有仕様を追加して策定する。この結果,Linuxは次期統一UNIX仕様のサブセットという位置付けになる。統一UNIXもLinuxも,もともとはUNIXなので,かなりの部分が共通だが,Linuxしかもっていない仕様もあった。さらに,次期統一UNIX仕様には,従来の統一UNIX仕様のうち,もはや使われていない古い仕様を取り除くという。

 ただし,次期統一UNIX仕様の実現時期について,ブラウン社長は,「The Open Groupがいうべきことではない」とした。これまでの統一UNIX仕様の策定に参画してきた主要UNIXサーバー・メーカーに加え,Linuxを作り上げてきたコミュニティのメンバーで具体的な仕様の詰めを進めていくことになる。

 The Open Groupは,統一UNIX仕様を管理し,UNIXサーバー・メーカーの出すUNIXが統一仕様に準拠しているかどうかを確認してきた。The Open Groupの認証を受けたUNIXであれば,相互間の接続性が維持できる。しかし,ここへ来て,メーカーとは無縁のUNIXであるLinuxが急成長しており,既存のUNIXとLinuxとの関係を整える必要が出てきていた。(谷島 宣之=日経コンピュータ