東京・渋谷近郊に拠点を構えるネット・ベンチャー企業の社員規模が急拡大している。2001年2月時点で,アイ・エム・ジェイ(http://www.imjp.co.jp/),オン・ザ・エッヂ(http://www.edge.co.jp/),ネットイヤーグループ(http://www.netyear.net/)といった企業で,いずれも社員数が100人の大台を超えた。従業員規模だけ見ると,すでにベンチャーの域を脱しつつある。

 3社に共通するのは,単なるWebデザイン会社から脱却を図り,インターネット分野全般にビジネスを広げようとしていることだ。特に電子商取引(EC)分野では,企業向けに,ビジネス・モデルの構築支援や要件定義,システム設計,アプリケーション開発,デザイン,稼働後の運用など,トータルなサービスを提供しようとしている。

 これだけ広範囲にビジネスを展開するには,WebデザイナやWebに強いプログラマだけでなく,「ディレクタ」,「プロデューサー」と呼ばれるサイト全体の責任者や,業務アプリケーションの開発経験者,ITや経営のコンサルタントなどが必要になる。こうした多種多様の人材確保に奔走した結果,3社は設立数年で100人以上の社員を抱えるに至った。

 人員構成は各社まちまちだが,例えばアイ・エム・ジェイは,同社の最大顧客の一つであるソニースタイルドットコム・ジャパンのためだけに,社員の5分の1に当たる約20人を割り当てている。ソニースタイルのオフィスに,アイ・エム・ジェイの専任部隊が常駐する徹底ぶりだ。密接な関係を築けるユーザー企業には,社内リソースを集中投入する戦略だ。

川又 英紀=日経コンピュータ