調査会社のヤンキーグループリサーチジャパン(米本社のURLはhttp://www.yankeegroup.com/)は23日,米国におけるブロードバンド・サービスの市場動向に関する調査結果を発表した。それによると,米国のブロードバンド・サービス・ユーザー数は2000年末時点で510万人,1年後の2001年末には960万人に達するという。同グループはブロードバンド・サービスを,CATVインターネットやADSLサービスなど家庭向けの高速インターネット常時接続サービスと定義している。ブロードバンド・サービスのユーザー数は,2000年9月の時点では403万8450人だった。そのうち約70%を占める約284万ユーザーが,CATVインターネットを利用している。

 2001年末時点で,アナログ・モデムのユーザーを含めた全インターネット利用者の約15%がブロードバンド・サービスを利用することになるとみている。この段階で,「動画配信やテレビ電話といった,ブロードバンド向けのコンテンツ市場が本格的に立ち上がる」(同社アナリストのジェームズ・ウォルシュ氏)。ウォルシュ氏は,「普及率がさらに上昇するには,消費者がメガビット級の通信速度を十分に享受できる,魅力的なコンテンツが必要になる」と指摘する。

 ヤンキーグループはブロードバンド・サービスの普及を後押しする“キラー・コンテンツ”として,テレビ電話などのコミュニケーション・サービスを有力視している。「国によってキラー・コンテンツの中身は若干異なってくる。例えば日本では,一大産業を成しているゲームが有力だ。多人数参加型のオンライン・ゲームは常時接続できるブロードバンド・サービスならではのコンテンツと言える」(ウォルシュ氏)。

高下 義弘=日経コンピュータ