富士通エフ・アイ・ピー(http://www.fip.co.jp/),オージス総研(http://www.ogis-ri.co.jp/),データセンターのシステム運用管理サービスを手がけるインターネット・マネージ(http://www.i-manage.co.jp/)の3社は3月以降,Webシステムの負荷テストと,Webサイトの応答時間の測定を請け負うサービスを順次開始する。

 サービスを開始するにあたり,3社は,Webサイトの負荷テスト用のソフトを手がけるマーキュリー・インタラクティブ・ジャパン(http://www.mercury.co.jp/)と業務提携した。3社はマーキュリーから,Webシステムの負荷テスト用ソフトや,Webサイトの応答時間を測定するソフトの提供してもらうほか,サービス要員の教育について支援を受ける。

 富士通FIPの北島敬一システム本部長は,「Webシステムに実際に大量のアクセス要求がある状態を作り出して,テストするということがほとんど行われていないのが現状だ。このサービスを利用することで,Webシステムに高い負荷がかかったときの弱点を洗い出せる。そのため,サービスの結果をうまく利用すれば,チューニングすることでWebシステムの性能を向上させることができる」と話す。

 富士通FIPが3月から,オージス総研が4月からそれぞれ提供するサービスは2種類ある。仮想的にユーザーを作り出し,一斉に処理要求を出してWebシステムに負荷をかける「ActiveTest」と,定期的にWebサイトにアクセスして応答時間を測定する「ActiveWatch」である。富士通FIPはおもに東日本を中心に,オージス総研はおもに西日本を中心にサービスを提供する。

 ActiveTestは,100から20万のユーザーを仮想的に用意し,測定対象であるWebシステムに対して一斉にアクセスする。一斉アクセスを受けたWebサイトの応答時間や,Webサーバーのプロセサやメモリの使用率についてデータを収集する。Webサイトの応答時間の測定は,データセンターに専用サーバーを用意して測定する。Webシステムの稼働状況は,Webシステム内にあらかじめインストールした測定用のモジュール・ソフトを使ってデータを収集し,データセンターに結果を送る。FIPの場合,料金は180万円(テスト1回)から。

 ActiveWatchは,電子商取引サイトなどの応答時間を定期的に測定するサービス。インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)経由でWebサイトにアクセスし,商品の選択,注文,決済といった一連の処理にかかる時間を定期的に測定する。測定結果はWebページや電子メールで報告する。応答時間については,ある一定時間を超えた場合,電子メールでシステム管理者に通知する。FIPの場合,料金は月額24万円から。

 一方,インターネット・マネージは,ActiveWatchだけを4月からサービスする。インターネット・マネージの山田芳幸社長は,「遠隔監視サービス利用者の中からは,Webシステムの運用監視だけでなく,実際にWebサイトのアクセスにかかる時間を測定して欲しいという要求が高まってきた。このため,新しいサービスを追加することにした」と話す。主に同社の遠隔監視サービス利用者に向けてActiveWatchを提供していく。

 マーキュリー・インタラクティブは,Webサイトの負荷テスト用ソフトや,Webサイトの応答時間を測定するソフトの大手。Webサイトの負荷テスト用ソフトと応答時間測定ソフトの各分野ではそれぞれ,世界市場においてトップ・シェアである40%以上を確保しているという。(西村 崇=日経コンピュータ

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