ソニー銀行社長に就任予定の石井氏 ソニーは早ければ今年6月にもインターネット専業銀行「ソニー銀行」を開業する。同社は1月31日付で,金融庁に予備審査を申請済み。ソニーはインターネット専業銀行を開業することを2000年3月に発表していた。開業3年で40万口座,預金量6000億円の獲得を目指す。

 ソニー銀行のビジネス・モデルは,2000年10月に開業した国内初のインターネット専業銀行「ジャパンネット銀行」に似ている。勘定系システムの開発も,ジャパンネット銀行と同じく富士通が担当している。ただし,ソニー銀行のシステムは,「ジャパンネット銀行の勘定系システムとはまったく違うもので,当社専用にゼロから構築してもらっている」と,ソニー銀行の社長に就任予定の石井茂ソニー金融サービス事業準備室長(写真)は語る。ソニー銀行用のシステムは,「おおかた完成しており,現在は入念なテストを繰り返しているところ」という。

 ソニー銀行は6月の開業時点では,預金,振込,小口融資などに加えて,投資信託を販売する計画。続けて外貨預金,住宅ローンなどのサービスも提供する。現金の入出金には,さくら銀行のATM(現金自動預け払い機)を活用する。さくら銀行は,ソニー銀行に16%出資する予定。

 ジャパンネット銀行との差別化ポイントは「預金残高に関係なく,口座維持手数料を徴収しない」(石井室長)こと。ジャパンネット銀行は,顧客の平均残高が30万円を切ると,月額1050円の口座維持料を徴収する。

戸川 尚樹=日経コンピュータ