徳島大学工学部知能情報工学科の森井昌克教授は2月5日から,Webページの改ざんを監視する「改ざん検出システム」の公開実験を開始した。森井研究室が開発した同システムを,研究室のWebサイト(http://asp.is.tokushima-u.ac.jp/)で公開する。このシステムをさまざまな利用者に使ってもらい,改ざん検出の確実性や,同システムがどのくらいの負荷に耐えられるかについて検証作業を進めていく。

 利用者は森井研究室のWebサイトから,自分が監視したいWebページのアドレスと,改ざんがあったときに通知してもらう電子メール・アドレスをそれぞれ登録する。これだけで改ざん検出システムを利用できるようになる。トップページのアドレスを登録しておくだけで,自動的にリンクをたどり,より下層のWebページを登録する機能も備える。

 Webページの改ざんを検出するシステムの内部では,「MD5」というプログラムを使って,Webページを256ビットの文字列に変換し,この文字列を保存しておく。この文字列はWebページの特徴を示しており,Webページが改ざんされると文字列も変わる仕組みになっている。

 改ざんシステムの標準設定では5分ごとに監視対象のWebページを文字列に変換し,保存しておいた文字列と比較して,改ざんの有無を検出する。「文字列に変換した後で比較するので,監視対象のWebページが多くなっても高速に処理できる。将来は企業との共同研究に発展させたい」と森井教授は語る。

坂口 裕一=日経コンピュータ