東京めたりっく通信(http://www.metallic.co.jp/)が,ブロードバンド社会の実現に向けて,バックボーン回線の増強に乗り出した。光ファイバによるバックボーン回線を構築する100%子会社「東京ふぁいばあ通信」の事業展開を,この1月から本格的に開始した。

 東京ふぁいばあ通信はADSLサービス向けの幹線ネットワークを都内に構築する。NTT電話局と東京めたりっく通信のセンター間のバックボーン回線を高速化し,実効的な通信速度をしっかり確保する。「いくら足回りをADSLでメガビット級に高速化しても,バックボーン回線が細ければ何の意味もない」(平野剛東京めたりっく通信副社長)と判断した。まずは毎秒数Gビット級の転送速度を持つ高速ネットワークを早急に構築する。「今年後半には,Tビット級に増強する」(杉村五男東京ふぁいばあ通信社長)計画だ。

 バックボーン回線は,NTT東西地域会社が2000年12月に開放した光ファイバを使って構築する。NTTから光ファイバの未使用部分を借り受ける,いわゆる「ダーク・ファイバ」を使う。現在東京めたりっく通信が利用しているATM(非同期転送モード)専用線よりも安価にバックボーンを構築できる。光ファイバの開放に関して,東京めたりっく通信の東條巌会長は,「ようやくブロードバンド社会の実現に必要な両輪が揃った」と,コメントする。

 これを受けて,東京めたりっく通信は2月からADSLのサービス体系を順次変更し,高速化と低価格化を図る。現在は,ダウンロード速度が最大640kビット/秒と最大1.6Mビット/秒の二つのメニューがあるが,これを最大1.6Mビット/秒に一本化する。月額料金は,最大640kビット/秒のメニューと同じ5500円に据え置く。さらに東京めたりっく通信は3月をメドに,ダウンロード速度が最大3Mビット/秒のメニューも用意する予定である。

高下 義弘=日経コンピュータ編集

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