インパクの発表会に,新・旧IT担当相が出席 政府の新千年紀記念行事推進室は12月15日,来年1年間をかけて開催するインターネット上での博覧会,通称「インパク(http://www.inpaku.go.jp/)」の実施詳細を発表した。発表会見にはIT担当相を兼務する額賀福志郎経済企画庁長官(写真,左から3人目)のほか,インパクの発案者で内閣特別顧問の堺屋太一氏(同2人目)といった“大物”が顔を出し,政府の力の入れ具合が伺われた。

 インパクとは,国や地方自治体,企業,民間の非営利団体などが,インターネット上に仮想的な「パビリオン」を開設するという博覧会。大小200以上のパビリオンが出展を予定している。イベントの企画担当者には,ファッション・デザイナの山本寛斎氏(写真,右から3人目)やコピーライターの糸井重里氏,アーティストの石井竜也氏ら,各界の著名人が総動員する。

 会見では,2000年12月31日から2001年1月1日にかけて開催する「開会イベント」の概要や,インパクのサイト構成を発表した。開会イベントは,「日本における20世紀最後の日の入り」,「日本が21世紀を迎える瞬間」,そして「日本での21世紀最初の日の出」を,それぞれインターネットで生中継する。生中継のために,日本で最も日の入りの遅い沖縄県与那国島,日本の標準時子午線近くの明石大橋,日本で最初に日が昇る千葉県犬吠埼にカメラを設置し,首相官邸とインターネットで結ぶ。首相官邸からは,森喜朗首相がインターネットを通じてインパク開会を宣言する。

 額賀経企庁長官は,「IT革命を推進する上で,インパクは大きな役割を果たすはず。IT担当の大臣として,インパクを成功させるために渾身の努力をしたい」と抱負を語った。堺屋氏も,「インパクはおそらく世界で初めての大行事。1年前に考えていた以上の質のイベントがそろった」と自賛した。

 政府は,博覧会という“国民的イベント”を起爆剤として,日本におけるインターネット普及を加速させることを狙っている。1年間で50億アクセスの達成を目標に掲げる。果たして,目標達成は可能なのか。それ以前の問題として,この博覧会がインターネットの普及に役立つのか。1年後には明らかになる。

玉置 亮太=日経コンピュータ

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