無線通信機器ベンダーのプロキシム(http://www.proxim.co.jp/)は2001年3月をメドに,企業向け無線LAN機器の新製品「HARMONY」シリーズを出荷する。特徴は,無線制御部分とLAN接続部分を分離したことである。価格はこれから詰める。米国での価格は802.11bに準拠した無線制御部分が465ドル,LAN接続部分が1495ドル。

 HARMONYでは,アンテナを含む基地局に無線通信を制御する機能だけを持たせた。LANと接続する機能は,「APコントローラ」と呼ぶ別の機器が持つ。基地局は,APコントローラを経由してLANと接続する。基地局とAPコントローラとの間は,独自のプロトコルで通信する。このプロトコルはIPベースなので既存のLAN回線を使って接続できる。

 無線制御部分とLAN接続部分を分離することで,基地局の機器の製造コストを削減できる。「2台以上基地局を設置する場合は,LAN接続機能を一体化した他社製品より安くなる」(プロキシムの松本重継社長)。さらに,複数の無線LANの規格に準拠した製品をまとめて管理できる。将来,より高速な無線LANの規格や電波干渉に強い規格に準拠した基地局を導入したとしても,既存の基地局と同様に管理できる。(坂口 裕一=日経コンピュータ