「インターネット・ビジネスで成功した企業は,”金脈”を掘り当てたようなものだ。しかし,その金脈を見つけ出すためには,つるはしといった道具や,宿屋などの施設が不可欠だ。インターネット・ビジネスの世界でデータセンターは,この“つるはし”や”宿屋”のような役割を果たす」。こう語るのは,データセンター事業を手がけるグローバルセンター・ジャパン(http://www.globalcenter.co.jp/)の社長を務める岡田智雄氏だ。「今のWeb関連のビジネスを見ると,サービス・プロバイダなどの市場規模の拡大ばかりが目につくが,それを支えるデータセンターなどの情報インフラの市場は,より安定的に成長するはずだ」と続ける。

 この成長の波に乗るために,グローバルセンター・ジャパンは12月にも,東京・大手町にあるデータセンターを現在の1500平方メートル規模から3000平方メートル規模に拡張する。岡田社長は,「大手企業が集中する大手町という立地条件と,都心では有数の設置面積をいかして,国内におけるデータセンター事業を本格的に展開する」と意気込む。同社は,このデータセンターとは別に,2001年末をメドに,首都圏に約1万平方メートル規模のデータセンターを開設する予定だ。

 グローバルセンター・ジャパンは,データセンターという”宿屋”の建て増しと並行して,”つるはし”にあたる付加的なサービスにも力を入れている。この11月からは,日立製作所と提携して,ストレージのASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービスを開始した。「企業の中に蓄積されている膨大なデータを管理する業務も,データセンターの重要なサービスの一つになる」(岡田社長)と語る。

 グローバルセンター・ジャパンは,通信事業者のグローバル・クロッシング・グループのなかでアジア地域を統括するアジア・グローバル・クロッシングと,研究開発型ベンチャーのインターネット総合研究所(http://www.iri.co.jp/ )が今年2月に合弁で設立した企業。岡田氏は富士通のVAN(付加価値通信網)事業部長や,ニフティサーブ(現@nifty)社長を経て,この10月30日からグローバルセンター・ジャパンの社長に就任した。

西村 崇=日経コンピュータ