格安のアプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)事業を手がける,セールスフォース・ドットコム(http://www.salesforce.co.jp/)は11月13日から,企業の営業担当者を支援するアプリケーション「salesforce.com」日本語版のサービスを開始する。11月中に約10社のユーザーが利用する見通し。

 同社は米セールスフォース・ドットコムの日本法人で,米国本社がオンライン提供しているアプリケーションと同一のものを日本で提供する。11月13日から提供するのは,米国で10月末から利用可能になった最新のアプリケーション。最新版から英語でも日本語でも利用可能にした。アプリケーションは米国西海岸のセンターにあるサーバー上で稼動する。

 日米で同一アプリケーションを使うASPはおそらく世界で初めて。他の米国系のASPは,アプリケーションを日本に持ち込み,日本語化して日本にあるサーバーで運用するものが多く,日米で別システムになっている。同社はキャンペーン終了後は,アプリケーションを月額5000円(5ユーザー)で提供する計画である。このため,日米同一アプリケーションにしてコストを下げることにした。

 11月13日のサービスインに先だって,同社は社内および一部のユーザーの協力を得て,運用テストを実施し,バグを修正した。それでも,米国で稼動中のシステムのソース・コードに自由に手を加えられない制限があり,一部の日本語処理に制約が残っている。これについては2001年1月までに随時改善を加え,制限を撤廃する。それ以降は米国本社が開発しリリースした機能が同時に日本でも利用可能になる。

 このため年内はデータベースおよびアプリケーションの完全な日本語稼動を実現するため,当初はユーザーを大量獲得せず,システムの検証を繰り返していく。サポート・デスクや操作研修などサポート体制の拡充も別途進める。こうした体制が整うまでは,書面通知による申し込み方式をとる。体制が整った後,12月以降からは簡単にユーザーが登録,利用できるオンラインサインアップを導入する。

谷島 宣之=日経コンピュータ

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