サプライチェーン・マネジメント・ソフト大手,米マニュジスティックス(http://www.manugistics.com/)で自動車産業を担当するジム・コワルスキー バイス・プレジデントは日経コンピュータに,「自動車メーカーや自動車部品メーカーの多くは今後,企業間電子取引の基盤として,精度の高い需要予測システムや,迅速な納期回答を実現するシステムを本格的に整備していくだろう」と語った。

 コワルスキー氏によると,自動車メーカーや部品メーカーの間で,車体を形成する直接部品の取引について,SCP(サプライチェーン・プラニング)パッケージ・ソフトを活用し,需要予測システムを構築するプロジェクトが増えつつあるという。

 自動車業界では,ゼネラル・モーターズ(GM),フォード・モーター,ダイムラー・クライスラーが主導して,「Covisint(コビジント)」と呼ぶ電子マーケットプレイスの構築が進められている。自動車業界の企業間取引というとすぐに,Covisintが話題になる。しかし,「Covisintは当面,間接資材のインターネット調達システムとして活用されることになる」(コワルスキー氏)。また,中小の自動車部品メーカーには,Covisintに参加するために必要なシステム投資をまかなえないという問題もあるという。

 こうしたことから,直接部品の取引にCovisintが使われるようになるのには,「まだまだ時間がかかる」とコワルスキー氏は見ている。Covisintのような取り組みとともに,特定の取引先と結んだサプライチェーンの中でしっかり需要予測をすることも欠かせないわけだ。(戸川 尚樹=日経コンピュータ