日本語によるCOMドメイン名の登録受付開始日は11月11日--。COMドメイン名の登録業務を行う世界7カ国,21のレジストラ(登録事業者)は米国時間の11月10日,日本時間では11月11日に入ってから,日本語を含む多言語ドメイン名の登録業務を一斉に開始することが日経コンピュータの調べで明らかになった。多国語ドメイン名の登録はすべて,先着順での受付になる。このため日本語によるCOMドメイン名の取得を希望する企業は,早急に対応する必要がある。

 今回登録を受け付ける言語は日本語,中国語,韓国語の3言語で,対象のドメイン名は.COM/.NET/.ORGで終わる一般ドメイン名(gTLD)。gTLDを管理する米ネットワーク・ソリューションズ(NSI)は現時点で,登録開始の正確な時間を明らかにしていないが,日本時間で10日深夜から11日未明にかけてになる模様で,その時刻に21のレジストラに対して登録データベースを一斉に開放する。

 日本では,インターキュー(http://www.interq.ad.jp/)と国際調達情報(PSI-Japan,http://www.psi-japan.com/)の2社が,今回,多言語ドメイン名の登録業務を行えるレジストラとして選ばれている。このうち,インターキューは,米NSIがデータベースを開放すると同時に,マイクロソフトと共同で設立した「お名前ドットコム」が提供するWeb上でのドメイン名登録サービスで登録を受け付ける。同社は初期の登録者の呼び込みを狙って,日本語ドメイン名の登録料を登録開始後2~3カ月間は,英数字のドメイン名の登録料(年間3600円)のほぼ半額に設定する見通し。一方,PSI-Japanは現時点で詳細を明らかにしていない。

 今回登録したドメイン名は永久的に使用できる可能性が高いが,米NSIは「あくまでテスト登録」と位置付けている。しかも,今回は登録が始まるだけで,実際にインターネット上で使用できる「運用フェーズ」に入るのは,当分先になる予定だ。NSIは運用フェーズの開始時期や,技術的方針の詳細を公表していない。

 また今回のテストでは,日本語ドメイン名を「RACE」と呼ぶ方式で英数字にエンコード(文字変換)して,DNSサーバーに登録する予定。しかし,まだRACEは多言語ドメインに対して責任を持つIETF(インターネット・エンジニアリング・タスク・フォース)に認定されていない。このため今回,登録したドメイン名が将来使えなくなる可能性もわずかだが残っている。

 だが関係者によると,RACE方式を含めて今回のテストがIETFから認定を受ける可能性は極めて大きいという。その場合,テスト期間に登録されたドメイン名が正式に運用されることになる。

井上 理=日経コンピュータ)