「料理なら底の深い皿や幅の広い皿など色々な皿があり,皿に合わせて料理を盛りつける。メディアも同様に,デジタルメディアという,様々な“皿”に合わせた料理が必要だ」。こう語るのは,音楽プロデューサの秋元康氏。10月31日,日本衛星放送(WOWOW)が開いたBSデジタル放送に関する記者発表会での発言である。WOWOWがBSデジタル放送開始記念として,12月1日から放映する連続ドラマ「Seven's Face」で,秋元氏は企画・原案を担当する。発表会で秋元氏は「デジタルメディアの優位性を最大限に生かしたコンテンツづくりをしていきたい」と抱負を語った。

 Seven's Faceは奥菜恵と萩原聖人が主演するサスペンス・ドラマ。12月1日から23日にかけて,毎日放送する。期間中は番組のホームページ(http://www.wowow.co.jp/sevens-face/)で犯行を予告し,ドラマがそれを追いかけるという構成をとる。このようにBSデジタル放送とインターネットを連動させることで,秋元氏は,デジタルメディアの可能性を探る心づもりだ。

 インターネット,BSデジタル放送,データ放送など,世間には「デジタルメディア」が氾濫している。しかし「現状は,あるメディアが流しているコンテンツを,そのまま流すメディアがほとんどだ」と秋元氏は分析,こうした現状がデジタルメディアの発展を妨げている,とみる。

 秋元氏によれば,デジタルメディアに適したコンテンツとしては,BSデジタル放送とインターネット,さらにデータ放送を組み合わせた複合的な企画が考えられるという。「今回の企画では,番組中で紹介しきれなかった情報を,インターネットのWebページで紹介する。インターネット同様,データ放送もインタラクティブ性が魅力。今後はそうした情報を,今後はデータ放送で流すこともありえる。」と会見を締めくくった。

玉置 亮太=日経コンピュータ