新しいサービスを盛り込んだWebサイトを,とにかく素早く構築したい--。こうしたニーズにこたえることに的を絞ったWebアプリケーション・サーバー・ソフトが登場した。米アレイアの「JRun 3.0」である。国内ではシリウス(http://www.sirius.co.jp/)が日本語版を10月から販売し始めた。

 Webサイトの迅速な開発を可能にするため,JRunは「メニューやウィザードを使って,Webサイトの処理を迅速に開発できるよう工夫した」(米アレイアのダン・マーフィ プロダクト・マーケティング・マネージャ)。具体的には,あらかじめ用意したソフト部品をメニューから選択するだけで,Webページを構築する機能を実装した。さらに,デバグ機能も充実させ,Javaプログラムのソースを1行ずつ実行しながら修正できるようにした。

 JRunは,小規模から中規模のWebサイト構築といった大量出荷が見込める市場を狙う。「マーケットプレイスのような,大規模・超大規模Webサイトの構築は,米BEAシステムズのWebLogicや米IBMのWebSphereに任せる」(マーフィ マネージャ)と明言する。

 アレイアは,同じく小中規模のWebサイト構築向けにアプリケーション・サーバー・ソフト製品「Cold Fusion」を出している。しかし同社は,両製品の開発言語が異なるので,すみ分けは可能と考えている。「Cold Fusionの開発言語であるCFMLは,より動的なWebサイトを構築するのに適している。しかし開発言語の今後の主流が,JRunが採用しているJavaになることは間違いない。当社としては二つのアプリケーション・サーバー・ソフトを用意して,ユーザーが自由に選択できるようにする」(マーフィ マネージャ)と語る。

高下 義弘=日経コンピュータ