企業間電子商取引の普及促進を図る民間企業団体「ロゼッタネットジャパン(http://www.rosettanet.gr.jp/)」は10月10日,独自に定めた業務プロセスやXMLデータの定義に基づく取引を試験的に開始した。取引参加企業は合計20社。情報技術(IT)業界からインテル,NEC,日本アイ・ビー・エムなどが参加しただけでなく,金融業界から三和銀行,小売業界からヨドバシカメラも名乗りを挙げた。業界のワクを超えて,これだけ大規模に取引データをやり取りする実験は国内初。ロゼッタネットは柔軟性が高いXML(エクステンシブル・マークアップ・ランゲージ)をデータ交換仕様に採用している。このことが,こうした大規模実験を可能にしたとも言える。

 今回の試験取引に参加した企業はロゼッタネットジャパンが標準として定めたデータ定義や業務プロセスに従って,受発注データやカタログ・データを実際に交換する。2001年3月まで試験を継続し,ロゼッタ仕様の実用性を検証する。この結果はロゼッタネットジャパンに参加する企業間で共有し,2001年春以降の実用化に役立てる。

 ロゼッタネットジャパンは米ロゼッタネットの日本支部にあたる。NECやソニー,NTTコミュニケーションズなど31社が2000年4月に設立した。パソコンや半導体の受発注業務をXML形式でできるように,受発注データやカタログ・データの定義,業務プロセスの標準化を進めている。現在の参加企業は65社。(栗原 雅=日経コンピュータ