登録者の住所や属性に依存しない「.COM」,「.NET」,「.ORG」に続く新しい一般ドメイン名(gTLD)の詳細が日経コンピュータの取材で明らかになった。新gTLDは,「.WEB」,「.SITE」,「.INFO」の三つが有力。早ければ来年の1月にも,世界19社のドメイン名登録機関で登録受付が開始され,新ドメイン名が誕生する見通し。日本でも,インターキュー,国際調達情報(PSI-Japan)の2社が新ドメイン名の登録を受け付ける予定だ。

 日経コンピュータの調べによれば,コンソーシアム「Afilias(アフィリアス)」が10月2日,インターネットを管理する頂点組織であるICANNに対して,.WEB,.SITE,.INFOの新設および管理・運営を行うレジストリ業務の承認を申請した模様。アフィリアスは,世界の主要なドメイン名登録機関19社によって今年9月に設立された。

 アフィリアスの中には,現在.COMなどのgTLDを独占的に管理・運営している米NSIが参加していることから,「ICANNが承認する可能性は極めて高い」(関係者)。11月中旬のICANN定例理事会で承認されたのち正式発表され,年末にかけて調整を行った上で早ければ来年の1月から登録受付が開始される見通しだ。日本からは,gTLDの登録業務を行うインターキューとPSI-Japanの2社がアフィリアスに参加している。

 .COMなどのgTLDは国際的に利用され登録制限がないことから急速に数が増え続け,現在では登録ドメイン名の数が1200万を超している。こうした背景から,新しいドメイン名空間を新設する声が高まり,この7月にICANNがgTLDを新設する方針を固めた。この方針を受けてICANNは,新ドメイン名の案とともにレジストリ業務を担う企業や団体を10月2日まで募集しており,有力なドメイン名登録機関の申請内容が世界中から注目されていた。

 アフィリアスのほかにも,複数の会社が「.KIDS」や「.PRO」など登録者に一定の制限を設けるドメイン名の新設とレジストリの申請をしている。だが,関係者によるとこれらがICANNに承認されるかどうかは微妙だという。(井上 理=日経コンピュータ