複数の流通業界関係者によれば,ダイエーとマイカルが,米シアーズ・ローバック,仏カルフール,独メトロらが設立したインターネット取引所(マーケットプレイス)「グローバルネットエクスチェンジ(GNX)」に参加を決めた。9月中に正式発表する。さらに,ダイエー,マイカル以外にも,大手小売業がGNXへの参画を検討しているという。

 ダイエーとマイカルは年内にも,GNXのWebサイトを介して一部の商品の国際調達を開始する。日本の大手企業が国際的な大型マーケットプレイスに参画し,実用に入るのは初めて。すでにGNXは今年の3月から運営を開始し,米オラクルのマーケットプレイス構築ソフトOracle Exchangeを使って,100社を超えるメーカーや物流企業と情報をやり取りしている。

 さらにGNXは,日本企業向けのローカル・サイトを構築する計画を持つ。開設時期は来春とみられる。このローカル・サイトを使えば,ダイエーやマイカルは日本企業と日本語でやり取りをして商品を調達できる。もちろん,ローカル・サイトとグローバルなGNXサイトは連携できる。GNX,ダイエー,マイカルはローカル・サイトを売り物にして,メーカー各社,流通業各社に参加を呼びかける。

 ローカル・サイトの開発には日本オラクルが参画する。9月25日に開かれた日本オラクルの社長交代パーティには,ダイエーの鳥羽董社長を筆頭にダイエー,マイカルの幹部が大挙出席し,さながらローカル・サイト開発プロジェクトの出陣式の様相を呈していた。

 小売業向けマーケットプレイスとしては,米Kマート,英テスコなどが設立した「ワールドワイド・リテール・エクスチェンジ(WWRE)」があり,日本企業からはジャスコが参加している。システム構築は,米IBM,米i2テクノロジーズ,米アリバ連合軍がこの7月から請け負っている。9月に入ってオークションの試験運用に入るなど動き出しているが,マーケットプレイス全体としては本稼働していない。(谷島 宣之=日経コンピュータ