米SGIで開発・製造部門を統括するウォーレン・プラット執行副社長が日経コンピュータ記者と会見した。米インテルの64ビット・プロセサ「Itanium」の出荷が2001年春にずれ込んだことに対し,プラット執行副社長は,「致し方ないことだ」と,インテルを擁護する発言をした。

 「新しいアーキテクチャの製品を出そうという時,こうした事態は付き物だ。われわれは,新しいアーキテクチャに挑戦することの困難さを理解している」とプラット執行副社長は続けた。SGIは,MIPSプロセサの開発・製造部門を抱えている。新世代プロセサの開発につきまとう苦労はよく分かるというわけだ。

 SGIは,MIPSプロセサとIA-64プロセサを選択することができる大型UNIXサーバー「SGI Origin 3000シリーズ」を7月末から出荷している。「Itaniumが出荷され次第,製品に組み込んでいく。Itaniumの採用を見送り,Itaniumの後継でありMcKinleyからIA-64プロセサを採用するメーカーもあるが,わが社はそうした方針は採らない。」(プラット執行副社長)。

 SGIが,インテルに理解を示すのは,「IA-64とLinuxの市場は急速に成長しており,わが社にとっても大きなチャンスになる」(プラット執行副社長)と読んでいるからだ。プラット執行副社長は,「5年後,Origin 3000シリーズの出荷台数のうち半分はIA-64プロセサ搭載機になるだろう。売上高でも,IA-64プロセサ搭載機が同じ程度の割合を占めると推測している」と述べた。(森 永輔=日経コンピュータ編集