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米MITオートIDラボが取り組むRFID普及への課題(第1回-1)僕がオートIDラボに入ったいきさつ
マサチューセッツ工科大学
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現在僕は,米マサチューセッツ工科大学(MIT)のオートIDラボに所属する研究者として,オートIDに関する研究を行っている。しかし実は,渡米してMITに入るまでオートIDという言葉すら聞いたことが無かった。オートIDの日本での知名度が低かったのか,僕のアンテナが低かったのか,今となっては,その理由は分からない。ここではオートIDの知名度がまだ低いと仮定して,知名度をさらに上げるため,オートIDラボの全体像を紹介する。さらに無線ICタグ(RFIDタグ)の普及に向けて,MITがどのような課題に取り組んでいるかを解説したい。
まず,なぜ僕がオートIDラボで研究をすることになったかを簡単に紹介しておこう。僕は,今年の春にMITの工学修士プログラムの一つであるMLOG(サプライチェーン管理およびロジスティックスを専門とした工学修士課程)を卒業した。その修士論文のテーマとしてオートIDを取り上げたのが事の始まりだった。
オートIDをテーマに選んだ理由は比較的単純だった。論文のテーマを決める際にまず,「せっかくMITで研究をする機会を得たのだから,ここでしかできないテーマを選ぼう」と思った。そこで学科が関連するラボなどの紹介を物色したところ,オートIDが最も面白そうで,かつ,将来性がありそうな技術だったのだ。
とはいうものの,オートIDは人気が高いテーマだった。学科から提案されるテーマのなかでも競争率が高く,座して待っていてもチャンスは訪れないという状況だった。そこでまずは,独学でオートIDのことを調べ,自分なりにプロジェクトの素案を作り,オートIDセンターに提案することにした。
僕にはこれまで,企業間通信にかかわる技術研究をしてきた経験がある。僕の目から見ると,オートIDは企業間通信に影響を及ぼすことが考えられた。単純には,物品コードに影響を与える。ほかにもオートIDには,データのやり取りに必要なコンポーネントが欠けているような気がした。
ともかく自分なりのプロジェクト案をまとめ,オートIDセンターの扉をたたいたのが,僕がオートIDの世界に踏み出す第一歩であった。実際には,僕のプログラムの卒業生にオートIDセンターのディレクタをやっている人がおり,そのつてを利用して,比較的簡単にオートIDセンターまでたどり着けたのだが。
お気づきかと思うが,僕はこれまでの文章のなかで「オートIDセンター」と「オートIDラボ」という二つの言葉を使っている。これは決して書き間違いではなく意識的に使い分けている。オートIDセンターは元々オートIDに関する諸技術を研究していた団体で,MITを含め世界中の6大学から成る研究機関であった。
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