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無線ICタグが道順や交通情報を教える,国土交通省の新プロジェクト(1)

2005年度に神戸で実証実験,2006年度に全国展開目指す

2004/07/23

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 2006年の夏のある日,京都にて――。

 「銀閣寺は何度見てもいい。でも,お寺めぐりに携帯電話が欠かせないことがわかったのは発見。現地で案内板にかざすと,ピッという音とともに色々な解説が画面に出てくるからだ。へー,本堂の裏側はこんな風になっていたのか。あれっ,交通情報が飛び込んできた。帰りの電車で事故だって。う回路はこれか」。

 無線ICタグを,物にではなく“場所”に張り付け,その場所にまつわる情報を発信しようというプロジェクトが進んでいる。国土交通省が進める「自律的移動支援プロジェクト」だ。

 例えば駅の中の全ての案内板に,無線ICタグを埋め込んでおく。そこから付近の地図,時刻表,乗り換え案内,電車の事故状況といった情報が得られる。仕組みは単純。場所に固有のIDを無線ICタグに入れておき,そのIDにヒモ付けられたWebサイトに携帯電話機などからアクセスするのだ(図1)。IDとWebサイトの対応関係は,インターネット上の専用データベースで管理しておく。

図1 自律的移動支援プロジェクトの仕組み
図1 自律的移動支援プロジェクトの仕組み
無線ICタグを読み取るリーダーを内蔵する携帯機器(携帯電話など)により“場所”のIDを読み取り,IDにヒモ付けられたWebサイトにアクセスする。

 駅の中の案内板に無線ICタグが埋め込まれていれば掲載スペースの大きさにかかわらず,どこからでも必要な情報を入手できる。トイレはどこにあるのか,どの出口から出ればよいのか,案内板を探して歩き回る必要がなくなる。タグの場所からユーザーの現在地が分かるので,そこから目的地への道順も案内してもらえる。こうした無線ICタグを,道路や空港の標識などに,どんどん付けていこうというのが国土交通省の狙いである。

 タグを介してユーザーに提供される情報のほとんどは,インターネット上のWebサイトで既に公開されている。携帯電話用の検索サイトなどをうまく使えば,無線ICタグなど無くてもアクセスできる情報だ。しかし,タグに携帯電話をかざすだけで必要なサイトに誘導してくれるのは,やはり便利である。自律的移動支援プロジェクトは,既に豊富にあるWebサイトのコンテンツに簡便にアクセスする手段を提供するものととらえることもできる。

 このプロジェクトで開発した技術仕様はオープンなものとし,民間の企業にも採用を促す。テーマパークやショッピング・センター,レストランなどが,自発的にタグを埋め込み,消費者への情報提供サービスのツールとして使えるようにする。アトラクションのスケジュール,バーゲン情報,今日のランチ・メニューといった情報を流すのだ。無線ICタグは数十円から数百円と安価なため,設置にコストはあまりかからない。官民が一体となって普及を推進することがこのプロジェクトのゴールである。


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